たちかわ歯内治療院
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根管治療

男性 32歳 - 下顎左側第一大臼歯 - 抜髄

Pulpectomy_negotiation
1. ネゴシエーション時
Pulpectomy_postop
2. 根管充填後

解説: 抜髄処置時には、細菌感染の機会を可能な限り減少させる為に、ハンドファイルはディスポーザブル、ロータリーファイルと超音波チップは滅菌済みの新品を使用。 根管充填後のX線ではアンダーのように見えるが、なぜなら根尖の終末を解剖学的根尖孔ではなく、生理学的根尖孔に設定しているからであり、 現在の科学的に実証されているデータを基にした治療を行う努力をしている。


37歳 男性 - 下顎左側第一大臼歯 - 初回感染根管治療


1. 術前X-ray

2. ネゴシエーション時

3. 治療完了時

解説: 根尖病変を伴う感染根管においても根尖部終末を生理学的根尖孔に設定。生物学的コンセプトに基づいた治療を常に心掛けている。


60歳 女性 - 下顎右側第一大臼歯 - 再根管治療


1. 術前X-ray

2. ネゴシエーション時

2. 術直後

3. 術後13ヶ月

解説:根尖性歯周組織炎の急性症状を主訴としていた。 レントゲン画像では根尖周囲透過像は歯根膜腔の肥大程度であり、根管未処置の遠心舌側根の存在も確認できる。 しかしながら本症例での大きな病原因子は近心根管内の大量の壊死組織の感染であったように思える。 経過観察時には異常な臨床所見は見られず成功と判定した。精度の高い歯冠修復処置も歯内療法の予後に影響を与える。


58歳 女性 - 上顎左側第二小臼歯 - 再根管治療


1. 術前X-ray

2. 術後1年5ヶ月

解説:非常に重篤な急性症状を伴い、根管内からの排膿量も極めて多量であった。レントゲン的にも大きな根尖部透過像が認められる。 弯曲根管であるが故に根尖部は顕微鏡下でも視認できなかったが、施術は3週間に3回の来院で完了している。


54歳 男性 - 上顎左側第一大臼歯 - 再根管治療


1. 術前X-ray

1. 術直後

2. 術後1年3ヶ月

解説:初診時には特別な自覚症状はなかったが10年以上検診のたびに根尖周囲透過像を指摘され抜歯を勧告されていたとのこと。 全ての根尖においておそらく炎症性の歯根吸収を生じていると思われ、根尖孔の開大および大量の浸出液の排出を認めた。 全ての根管充填をMTAセメントにて行っているが、口蓋根においては病変内もしくは洞内に充填加圧時に迷入しないようインナーマトリックスの手法を用いて根管充填を行った。 術後1年3ヶ月の経過では正常な洞底線および歯根膜腔が確認できる。


35歳 男性 - 下顎左側第一・第二大臼歯 - 再根管治療


1. 術前X-ray

2. 術直後

3. 術後8ヶ月

解説:約4年前に抜髄し、自覚症状として鈍痛があるとのこと。 レントゲン所見では根尖周囲に比較的大きな透過像が認められる。 治療期間中に鈍痛は消失し、術後8ヶ月では根尖周囲透過像においても消失した。


53歳 男性 - 上顎左側側切歯 - 再根管治療


1. 術前X-ray

2. 術直後

3. 術後7ヶ月

4. 術後14ヶ月

解説:約40年前に抜髄・歯冠修復し、現症として咬合時痛と頬側歯肉圧痛があるとのこと。 口腔内所見としては頬側歯肉に大きな腫脹、レントゲン所見ではクラウンの不適合および根尖周囲に非常に大きな透過像が認められる。 根管治療中は根尖から大量の排膿を生じたが根管充填時には排膿が消失したため、約1ヶ月間に3回の通院で完了した。 術直後には鈍痛および歯肉圧痛が半年ほど残存した。 術前レントゲンで見られるように根尖部の形態から炎症性外部吸収および根尖部歯根外表面の感染も疑われるため 外科的アプローチの必要性を高く想定したが、幸い根管治療のみで治癒した症例である。


60歳 女性 - 下顎右側第二大臼歯 - 再根管治療


1. 術前X-ray

2. 術直後

3. 術後12ヶ月

解説:約7年前に抜髄・歯冠修復し、現症として咬合時違和感があるとのこと。 口腔内所見としては動揺度2度、レントゲン所見では遠心および根尖周囲に非常に大きな透過像が認められる。 辺縁性歯周炎または歯根破折も疑い治療を開始した。 根尖孔は開大していたためMTAセメントにて根管充填している。 当該歯に対するかかりつけ医での歯周治療は積極的に行わなかったとのこと。 これにより術前の透過像は全てエンド由来病変であったことが理解できる。


61歳 女性 - 上顎右側第二小臼歯 - 再根管治療:レッジ形成


1. 術前X-ray

2. 術後1年2ヶ月

解説:根管の歯冠側にレッジが形成されており、ほぼ未処置の根管が存在する症例であった。 根尖部で2根管は癒合しており、合流部には大量の壊死組織が認められた。 術後のX線像ではレントゲン的に成功している正常な歯根膜腔を観察することができた。


63歳 男性 - 下顎右側第二小臼歯 - 再根管治療:石灰化


1. 術前X-ray

2. ネゴシエーション時

3. 治療完了時

解説:根管石灰化が生じ非常に狭窄した根管では、マイクロスコープでの観察と共に可能な範囲で根管の穿通を試みる。 メチレンブルー染色、ヒポクロ発泡、色調、感触などを参考に超音波切削やテーパーの異なる手用ファイルを交互に用いて術式を行う。


38歳 男性 - 上顎右側第二大臼歯 - 再根管治療:歯髄結石


1. 術前X-ray

2. メタルコア除去後の髄腔内

3. ネゴシエーション時

4. 治療完了時

解説:術前のX線写真では根尖側の根管と根尖部透過像が確認できる。 しかしメタルコア除去後に根管口を探索することが不可能であった。 壁と髄床底の色調を頼りに約1.5mmの強固な歯髄結石を慎重に切削除去し、根管を剖出することに成功した。 根管内は壊死の状態であった。


20歳 男性 - 下顎左側第二小臼歯 - アペキシフィケーション


1. 術前所見:中心結節の摩滅が観察できる

2. 術前X-ray:開放根尖を伴う根未完成歯である

3. 髄腔到達時:液状化壊死組織がみられる

4. 術後X-ray:根尖部から根管口部までMTAで根管充填

解説:本症例は診査の結果、根未完成歯に対する初回感染根管処置を行った。 MTAの臨床応用によりアペキシフィケーションの術式も大幅に改良されている。 根未完成歯に対してMTAを用いた根管充填は歯根強度の向上においても優れているものと考察する。